この記事を書いた人
- 2021年~ アーリーリタイア(FIRE)
- 50代 4人家族 愛知県在住
- 純金融資産は1億円台
- 住宅ローンは9年間で完済
- 投資歴は約20年
※資産形成の詳細はプロフィールを参照ください。
目次
はじめに
新車を3年で乗り換えることが一番安く車に乗る方法。 どこかでこんな話を聞いたことがありませんか? 都市伝説の一つになってますが、いまだ真意は謎めいていたりします。特に業者関係者がこれを言ったりするので、うさん臭さを感じている人もいるのではないでしょうか。 実際中古車の方が安いはずだし、新車は購入したとたんに30%下落するので高い買い物になるというのが、一般的な考え方だと思います。 しかしこれからご紹介する話は、新車の方が中古車より安いとは言わないまでも、コスパは新車のほうがよいという内容となります。 実は、告白すると僕は“3年毎に新車を乗り換える派”です。振り返ると10年前からそれを実践してきました。 この経験から学んだことは、新車を3年で乗り換えたほうがコスパがよいし、人生の質(QOL)が上がるということです。 もちろん万人にお勧めする方法ではありませんが、ライフハックのテーマとして参考になればと思い記事してみました。
新車と中古車のコスト比較
年数 | 価値の減少率 |
---|---|
3年後 | 30~45% |
5年後 | 40~60% |
8~10年後 | 95~100% |
車のコストについて、まず考慮に入れないといけないことは車が登録年によって価値がきまるということです。 車は経年で価値が落ちていきます。新車登録から1年で30%価値が落ちるとも言われています。 表のとおり車の価値は、登録後3年で30〜45%、5年で40〜60%、8〜10年でほぼゼロになるというのが通説です。 また車の価値の下落率は、年数だけではなく、別の条件も加味され決定されます。 車種の人気、車体カラーやオプション、パワートレイン、走行距離、車の状態などが主な条件となります。 しかし今回はわかりやすくするため、経年による車の価値の下落率に焦点をあてます。 つまり「車というのは出荷されて10年後に価値がゼロになる資産であるということ」これが新車、中古車問わず言えることですので、この点に絞って考察したいと思います。 次にコスト計算にいれないといけないもの、それは車の購入時にかかる諸費用です。
新車、中古車とも消費税と車両税がかかります。車検の際に払う車両重量税は新車の場合は3年分を収めることになり、中古車は前のオーナーが車検時に収めていれば購入時に払う必要はありません。 概ね諸費用は車両本体価格の10〜30%と言われています。 諸費用と車両本体価格を合わせたものを“乗り出し価格”と呼びます。 この乗り出し価格が実際に車を購入する際に必要なコストとなります。 そして乗り出し価格以外にかかるコスト、それが維持費です。
維持費はおもに車検代やガソリン代や駐車場代、そして車の修理費用などがあります。 新車と中古車の維持費において大きく異なるところは、中古車の場合は車検費用と車の消耗品等の修理費用がかかることではないかと思います。 車検については最初の3年間は発生せず、3年を過ぎたら2年ごとに受けなければなりません。 また車の消耗品はタイヤやバッテリー交換が主なものかと思います。どれもけっこう高額なので馬鹿になりません。 中古車の場合は、これらの消耗品に加えて、なんらかの修理リスクがあります。 これに対し、3年毎に新車に乗り換える場合では車検費用はないし、車の修理費用もほとんどかかりません。 そして最後に頭に入れておかなければいけないことは、出口戦略である“車の売却”です。 この売却による収入を踏まえてはじめて車のコストを算出することができます。 例えば、乗り出し価格350万円の車を3年後に250万円で売却できたとすると、3年間の車の購入にかかるコストは350万円ー250万円=100万円となります。
マイカーの事例
これまで車を購入・所有するうえでのコストを説明しましたが、簡単に整理すると下記のとおりとなります。
車のコストに関する整理
- 車両価格と諸費用を足したものが“乗り出し価格”である。これが実際の車の購入コストである。
- 車両価格は10年で価値がゼロになる。
- 車を所有するうえでは維持費がかかる。
- 新車は車検費用や消耗品等の修理費用がかからない。
以上をふまえて、実際の僕の車の購入履歴を紹介します。
過去10年間において、僕が所有した車と実際のコストを表にまとめています。 車を買い替える度に記録してますので、かれこれ10年以上付き合いのあるエクセルシートです。
- 「購入価格」は車両価格と諸費用をあわせた持ち出し価格のこと。
- 「売却価格」はディーラーや車買取業者に売却した価格のこと。
- 「コスト」は購入価格から売却価格を引いた価格のこと。
- 「期間」は車を購入した月から車を売却した月の期間。
- 「月間コスト」はコストを期間で割ったもの。
- 「値引き」はディーラー値引き。
- 「残価率」は売却価格を購入価格で割ったもの。
この表を見ると、一番コストが高かったのが「セレナ」です。30カ月で102万円のコストだったことがわかります。つまり月間コストでわかるとおり30カ月間にわたって3万4千円ずつ払い続けたことを意味します。 コストをつかむうえで最もわかりやすい項目は月間コストと残価率になります。 例えばステップワゴンとCX5は月間コストは同じ2万8千円で、残価率も70%と71%となっています。 この2つの車両はセレナよりコストが安くお買い得だったことがわかります。 ここで中古車と比較するとどうなるか、CX5の例で見てみます。 CX5の車両本体価格は約360万円でした。中古車は10年でゼロになるので、価値は年に10%ずつ減っていきます。つまり360万円×10%=36万円が年間にかかるコストということになります。 この計算には諸費用が入っていません。それでも年間コストは36万円かかるということになります。 一方で僕の実績つまり「新車を3年で乗り換えるパターン」では、2.8万円×12か月=33.6万円(年間)となっています。 僕の実績は持ち出し価格ベース(車両価格+諸費用)です。つまり中古車の計算では車両価格のみで年間コスト36万円であったのに対し、僕の実績は持ち出し価格ベースで年間33.6万円ということになります。 このケースでは「新車を3年で乗り換えるパターン」のほうがコスト的にかなり有利であることがわかります。
新車のメリット
車が新しくてきれいな状態である
車に長く乗っていると、経年劣化によって塗装が衰えたり、シートがへたったりします。 僕が特に気になるのはシートです。しっかり張りのあるシートでないと気持ちも萎えてしまいます。 3年で乗り換えるペースだと、それほど経年劣化を感じませんが、5年を超えると気になるケースが多かったことを思い出します。 またピカピカの最新モデルに乗ることで、ファンションとしての満足度につながります。 かっこいい車に乗るだけで幸せ度は上がるし、僕の場合は3年程度であれば飽きることなくワクワク感をもって乗ることができます。 「車は名刺代わり」そんな言葉があります。ご年配の方がいい車に乗っているとかっこいいなと思うことがあります。 僕も50代なので自分の外見が衰え、年を重ねる度にみすぼらしくなっていると痛感しています。だからこそ身の回りのものはきれいなものを揃えることが大事かなと思うのです。
最新技術が搭載されている
この点が新車を乗るうえでの最大のメリットかもしれません。 事故を未然に防いでくれる安全性能や、ドライバーの負荷を下げてくれる快適性能が年を追うごとに進化しています。 自動運転とまではいかないまでも、自動追尾をしたり、ハイビームを自動で切り替えてくれたり、車のまわりをカメラが検知することで人や物への衝突を防いでくれたりします。 安全・快適性能については、挙げるときりがないほど、最近の車では至れり尽くせりのハイテク技術が満載です(そのぶん年々車の値段が上がってますが)
新車のデメリット
新車のデメリットは、ずばり価格が高額になることです。 中古車と比較すると購入価格が数十万円〜数百万円違ってくるので大きいです。 したがって車を移動する為だけのツールと割り切る人にとっては、できる限りお金を使わない方がよいと思うので、中古車一択かなと思います。 低年式の人気のない車種を乗りつぶす方法が一番コストがかからないと考えるからです。 今の車は10万キロ以上乗っても壊れないということを聞いたことがあります。であれば価値がゼロに近くなった車を乗りつぶすということも、有効なライフハックになるのではないでしょうか。 ただし低年式の車は故障リスクが高くなるので、自分である程度メンテナンスできる方であればおすすめできる方法だと思います。 新車は購入価格も高額ですが売却価格も高額になります。購入と売却をうまく対応できれば、新車でも安く乗ることができます。
3年で車を安く乗り換える方法
先にCX5の例にて新車を3年で乗り換えた場合のコストについてご紹介しました。 しかし全ての車がこのように新車のほうが得になるとは限りません。 新車の購入と売却を計画的に行うことで初めてコストを安くすることができるのです。 計画的に行うこととは、安く買って高く売るというものです。株のトレードと似てませんか? 言い換えると、高く売れる車種をできるだけ安く買うということになります。 ミニバンかSUVのカテゴリーであれば、一般的にリセールバリューが高いとされます。 リセールバリューの高い車を買うことがまずは絶対に守るべき条件です。 CX5はSUVの中でも人気の車種なので、リセールバリューはある程度担保できます。 つぎにエンジンとオプションを検討します。 エンジンは基本的にハイブリッド車よりもガソリン車のほうがリセールバリューが良いとされています。 ただし車種によります。たとえばCX5だとディーゼル車のほうがリセールバリューが良いとされていたため、僕はディーゼルを選びました。 オプションについては結論からいうとディーラーオプションは選びません。リセールバリューがアップするメーカーオプションのみ選択します。 一般的にリセールバリューがよいとされるのは、安全装備とサンルーフと皮シートです。このオプションをつけるためには、もしかすると高いグレードを買うことになるかもしれません。しかし最終的にはペイしますので、僕は必ずつけるようにしてます。 それから車の色もメーカーオプションとなりますが、白色か黒色の二択です。他の色だと10万円以上売却価格に差がでる可能性があります。 白色だと追加で数万円価格がアップすることが多いですが、それでも売却時に高く売るためには選択する方がよいです。 ディーラーオプションは、売却時にはまったく加算対象にならないため、僕は選びません。 たとえば、ディーラーオプションですすめられるのは、コーティングやフロアマットやドアバイザーなどです。最近では複数年のメンテナンスサービスなどを勧められることもあります。 僕の場合、コーティングは安い業者で別途施行しますし、フロアマットはサードパーティ品を購入します。ドアバイザーはつけたことがありません。もちろんメンテナンスサービスも契約しません。 実際、コーティングはKeeperのほうが品質がよいように感じます。 フロアマットはさすがに純正の方が品質が高いです。フロアマットについては実際に使っているとほとんど気にならなくなるので、サードパーティーでもいいかなと思っています。 ドアバイザーはタバコを吸わないので必要性を感じないし、外見を損なうので付ける必要性を感じません。 メンテナンスサービスも新車であれば故障リスクは低いので入る必要がないと思います。 このように車両本体価格のリセールバリューを最大化したうえで、オプションの費用をミニマム化します。 そして車の購入先はカーディーラーだけでなく車の量販店も視野にいれて探します。 最近購入したハリアーやCX5は量販店で購入しました。量販店のよいところは、いちいち価格交渉しなくても一発でベストプライスを提示してくれるうえ、値引き額もけっこう大きいところです。 また購入するタイミングとしては、フルモデルチェンジする時期を見定めて買ったほうがよいです。 というのもフルモデルチェンジするとリセールバリューが大きく下がるからです。 つまり3年で乗り換える計画であれば、3年以上フルモデルチェンジしないことが絶対条件となります。言い換えるとフルモデルチェンジしたばかりの車を買うということになります。 フルモデルチェンジの直後だと値引きはほとんどないので、1年ほど経過したあたりに購入するのが良いタイミングになるかもしれません。 そして売却については、中古車買取業者に見積依頼することが必須となります。ディーラーの見積りと比べて数十万円違ってきます。 中古車買取業者で有名なところはガリバー、ネクステージ、グッドスピード、アップルなどでしょうか。 そして中古車一括見積サイトを通してこれらの業者に、合い見積もりをかけます。 僕の場合は全業者を同じ時間に家に呼んで一斉に車を査定してもらい、最終価格を名刺に書いて提出してもらうという方法をとっています。個別に業者に対応すると時間がとられるうえ、価格交渉でとても労力を使うからです。 ドライなやり方に見えるかもしれませんが、業者からしても最小の時間と労力で仕事が終わるので、双方にとって良い方法ではないかと思っています。
おわりに
新車を中古車と同等か、それよりも安く乗ることができれば、とてもコスパがよいやり方だと思います。 もちろんお金を貯めることに重点をおくと、別の選択肢もあるし、車を持たないという選択肢もあります。 3年間で100万円を車に使うとして、50年間乗ると1600万円ほどかかります。人生で家の次にお金がかかる買い物かもしれません。 車にそれだけの価値があるかは個人によって変わってきますが、もしもお金を使うのであれば、できるだけ賢い使いかたをしたいものです。 3年毎に車を乗り換える、という方法には今のところ僕は満足しています。 了
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