この記事を書いた人
- 2021年~ アーリーリタイア(FIRE)
- 50代 4人家族 愛知県在住
- 純金融資産は1億円台
- 住宅ローンは9年間で完済
- 投資歴は約20年
※資産形成の詳細はプロフィールを参照ください。
目次
はじめに
クルーズ船を住居にしている人がいるという記事を見て、FIREに取り入れると面白いのではと興味を持ったので、今回調べてみました。 ↓↓↓関連記事 https://newspicks.com/news/7132809/ 記事を要約するとFIREを達成した米国の夫婦がクルーズ船の中で暮らしているという話です。特筆すべきなのは生活コストで、なんと一日あたり5600円/人というのです。いまどきビジネスホテルでも5000円台のものを探すのは困難です。クルーズ船にはほぼすべての生活コストが含まれている訳で、真実であればかなりコスパのよい生活インフラと言えるでしょう。 クルーズ船の料金には、以下のサービスが全て含まれます。
- 宿泊費用(客室代)
- 乗船地~下船地までの移動費
- 食事代
- サーフィン、スカイダイビングなどのアクティビティ費用
- ショーやパレードなどのエンターテイメント費用
- ジム、ジャグジーなどの施設利用料金
- 託児所利用料金など
宿泊代、食費、光熱費、アスレチック、アミューズメントなどを、ほとんど追加料金なしで利用できるということで、場合によっては自宅で慎ましく生活するより安く済む可能性もあります。 正直なところクルーズ船は“船”というより洋上の“町”を形成していると考えたほうがわかりやすいかもしれません。 ↓↓↓クルーズ船の中はとても豪華(MSCクルーズの例)
このようなことからFIRE後にクルーズ船で生活する人がいても不思議ではありません。 さすがに僕の場合は今の生活を捨てて洋上生活をするというところまでは思いきれないので、旅行ツールとしての観点でこれから考察してみます。 結論を先に言ってしまうと下記の要点になります。
- 日本発のクルーズ船は高すぎるので、個人旅行を組むスキルのある人は海外サイトでローカルクルーズを予約したほうが圧倒的に安い。
- 現在(2023年11月)は1ドル150円という超円安ということもあり、一日5600円という価格はさすがに厳しいが、一日100ドル以内の旅行プランは普通に存在する。
- 最短3日から最長100日を越えるプランが存在する。
世界一周クルーズ
日本発のクルーズ
まず最初に日本の旅行会社でクルーズ旅行を調べてみました。世界一周旅行の値段は・・・
100日間のクルーズです。最も安い部屋だと約700万円(一日あたり約7万円)ですね。夫婦二人で旅行すると1400万円近くかかってしまいます。 (最も高い部屋は7000万円近い値段であり、さすがに庶民では手出しができません。そこでレベルを統一する為に、最も安い部屋のクルーズプランを以降採用します。) 一生に一度の贅沢をするという意味ではアリかもしれませんが、もう少しコストを下げたいところです。 それから気になる点では、最も安い部屋は窓がないので、閉鎖的な空間が気にならない人向けです。せっかく贅沢するなら、精神的な制約が大きいと割りが合わないです。場合によっては価格が上がってもバルコニー付きや窓ありの部屋を適宜選択したほうがよいと思われます。
海外発のクルーズ
比較するため、海外発のクルーズ会社の世界一周旅行に調べてみると・・・
フランスのマルセイユ発着のクルーズ。116日間で13200ドル。一日あたり114ドルとなります。日本円で約17000円(1ドル150円換算)です。 日本発クルーズのメリットは、わざわざ海外に行かなくてもよく、船内に日本人スタッフがいて、従って言葉で困ることもないうえに、日本のおもてなしも期待できる点です。一方で、海外発のクルーズはある程度の語学力が必要となりますし、外国人とのコミュニケーションに慣れていない人にはハードルは高いです。 しかし日本発の世界一周クルーズは一日当たり7万円であるのに対し、海外発だと飛行機代込みでも2〜3万円で済みそうです。倍以上のコスト差は大きいです。 なお、日本発の世界一周クルーズではピースボートが有名ですね。調べてみると106日間で188万円くらいです。日本発着でありながら一日当たり18000円となり、コスト面では海外発のクルーズといい勝負です。 (ピースボートHP:https://www.pbcruise.jp/ ) しかしピースボートは料理やアミューズメントやその他の快適性において、海外のクルーズ船とは比較対象にはならないと考えています。(実際に体験していないので、他のブログ等を参考にした感想ですが。) 僕達のような50代の夫婦にとって、旅行の主目的は贅沢を楽しむことに重点を置いてしまうので、船内の快適性を担保するコンテンツはとても重要となります。(若ければ、ピースボートは乗ってみたかった!)
クルーズ船の快適コンテンツ
海外発のクルーズ船のコンテンツはこんな感じです。
レストラン
一部追加料金が必要なレストランはありますが、普通においしそうな料理が食べられそうです。ドレスコードが必要なレストランがあるので、フォーマルな服を持って乗船したほうがよいクルーズ船もあります。せっかくなら非日常の世界をとことん満喫したいので、おしゃれしてレストランの食事を楽しみたいですね。
エンターテイメント
コンサートやコメディ等のショーが様々な趣向で用意されています。さらにプールやジップライン、ゴーカートまで設置している船もあります。毎日趣向を凝らしたイベントが開催されている模様です。アメリカの会社はエンターテイメント力があるので、かなり楽しめるのではないかと思っています。
ヘルス、ビューティーサービス
スパやアスレチックジムで美容や健康をケアすることができます。スパは有料、アスレチックジムは基本料金に含まれるケースが多いようです。
クルーズ船の運営会社
クルーズ船会社の大まかなクラス分けは下の図が参考になります。
日本発のクルーズ船である「にっぽん丸」や「飛鳥」は最上位のブティッククラスに入っています。どおりで値段が高いわけですね。 一番下のカジュアルクラスでも、上で紹介したような快適コンテンツは用意されているので、十分ではないかと思っています。実際に最大手のクルーズ会社である「カーニバル社」「ロイヤルカリビアン社」「ノルウェージャンクルーズライン社」はカジュアルクラスに位置付けられ、リーズナブルな価格帯の旅行プランを用意しています。(ただしカジュアルクラスでも、日本発の旅行プランは高額なので要注意!) なお、世界のクルーズ船会社の売上ランキングはこんな感じです。
カジュアルクラスのクルーズ会社が上位を占めています。上位3社(カーニバル社、ロイヤルカリビアン社、ノルウェージャンクルーズ社)は米国の会社です。4位のMSCクルーズと5位のTUIクルーズは欧州の会社になります。
最適解はローカルクルーズ
今回調査する中で、自分なりのクルーズ船の利用方法がおぼろ気に見えてきました。世界一周のような数カ月をかける旅行よりも、行ってみたいエリアの観光名所を1〜2週間でつまみ食いするスタイルのほうが、コスト面や使い勝手そして満足度を考えると最適解ではないかという結論です。 そして日本発のクルーズ船より海外発を選ぶべきです。 日本発のクルーズは値段が高額な上に、利用者の年齢層が高すぎる点も気になります。例えば「飛鳥」を利用する年齢層は平均で70歳以上という話も聞きます。一方で海外発のクルーズ船利用者の平均年齢は46歳というデータがあります。周りの年齢が自分に近いほうが旅行を楽しめると思います。 (関連資料:https://www.jttri.or.jp/document/2019/takagi07.pdf) そこで参考までに、海外発のローカルクルーズ旅行はどのような感じなのか調べてみました。
ロサンゼルス発メキシコ周遊クルーズ
最大手のカーニバル社のサイトを調べました。 こちらはロサンゼルス発でメキシコの主要観光地を巡る5日間のクルーズです。価格は319ドル(一日あたり約64ドル)です。 メキシコは治安が悪いので、言葉の通じない日本人にとって、初めての旅行だとハードルが高い旅行先ではないでしょうか。しかしこのプランを使えば、アメリカ西海岸をメインに楽しみつつメキシコも回ってみるといった旅程を組めそうです。 治安に問題があっても宿泊はクルーズ船なので安心です。
欧州周遊クルーズ
イギリスのロンドン発の片道クルーズ。ポルトガル、スペインの港町を回ってローマに到着するプランです。9日間で価格は929ドル(一日あたり約103ドル)です。 ロンドンで数泊した後、クルーズ船で9日間すごし、終点のローマで数泊する感じで旅程を組むことになりそうです。つまり行きはロンドン着、帰りはローマ発の航空券を買うことになります。手配が煩雑になるところはネックですが、イギリス、イタリアを重点的に旅行するなら、面白そうなプランです。
オセアニア周遊クルーズ
オーストラリアのシドニーからニュージーランドの主要な港町を経由して戻ってくるツアーです。11日間で価格は593ドル(一日あたり約54ドル)です。 オーストラリアで数泊した後、11日間ニュージーランドの港町をめぐる周遊旅行を楽しみ、シドニーから飛行機に乗って帰国する旅程になりそうです。
クルーズ船の料金(まとめ)
上でピックアップしたクルーズの料金を改めて整理してみました。数あるプランの中で、僕が興味を持ったものを適当に選んだので、あくまでサンプルとして見てください。
世界一周クルーズ
スクロールできます
クルーズ船 | 期間/料金 | 一日あたり料金 |
飛鳥 | 100日間で690万円 | 6万9000円 |
MSCクルーズ | 116日間で1万3200ドル | 1万7000円 |
ローカルクルーズ
スクロールできます
旅行エリア | 期間/料金 | 一日あたり料金 |
メキシコ周遊 | 5日間で319ドル | 9600円 |
欧州周遊 | 9日間で929ドル | 15450円 |
オセアニア周遊 | 11日間で593ドル | 8100円 |
これらの表をみると、日本発のクルーズ船「飛鳥」が圧倒的に料金が高いことがわかります。 海外発のクルーズ船は概ねリーズナブルな価格です。この価格に宿泊費や食費や遊興費が入っている訳ですから、かなりコスパが高いと言えるでしょう。 クルーズ船の料金はエリア毎に価格に偏りがあることがわかります。欧州地域は値段が比較的高く、米国やオセアニアはお値打ちだといえるでしょう。1日あたり1万円以内でほぼ全ての料金が含まれているのは、本当に信じがたいものがあります。
おわりに
今回の記事は僕の体験が足らない為、不確かな情報も入っているかと思います。それでも旅の楽しみをより広げる上では、クルーズ船は面白い選択肢の一つと考えます。リスクを排除して臨むのであれば、試してみる価値はあるでしょう。 海外発のクルーズは、旅行スキルが中級者以上の人向けです。せめて個人旅行を自分で組み立てるくらいはできないと始まりません。なぜなら、日本〜海外の航空チケットの手配やクルーズ船の手配を自分で滞りなくプランニングしなければならないからです。その上で、まったく日本語が通じない前提でのコミュニケーション能力も求められます。 それからFIRE民のように、自由な時間がある程度ないと厳しいかと思います。飛行機やクルーズ船の発着が遅れて、乗り損なうリスクは十分にあります。この為クルーズ船を旅程に入れた場合、ゆとりを持って柔軟に対応できる時間的マージンが必要です。 FIREを志向している人であれば、行動力も外国語でのコミュニケーション力も高いと思われるので、海外発のクルーズ船は、有効な旅行ツールとしておすすめかもしれません。 了
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