最初に自己紹介です。
この記事を書いた人
- 2021年~ アーリーリタイア(FIRE)
- 50代 4人家族 愛知県在住
- 純金融資産は1億円台
- 住宅ローンは9年間で完済
- 投資歴は約20年
※資産形成の詳細はプロフィールを参照ください。
今回はファイナンシャルプランナーが作るライフプランのようなシュミレーションではなく、算出根拠が読み取れるよう、積み上げ予算方式(ボトムアップアプローチ)でFIREに必要な資金を算出します。 また前提として今の生活レベルを落とさないプランで算出します。
家族持ちでFIREするのって難しいと聞きますね。
確かに独身よりも家族持ちの方がハードルは高いです。
だからこそ絶対に失敗のないよう資金面については何度もシュミレーションが必要です。
目次
経済的自立費用の見積もり
見積もりにあたって
FIRE資金(経済的自立費用)の見積もりは、下記の二つの経費を決めれば自ずと計算できます。 (僕はFIREするにあたり下記のようなシュミレーションをEXCELで何度も繰り返しました)
- 年間の必要生活費用を決める
- イベントの必要経費を決める
この二つの経費をFIREの計算ロジックに当てはめて見積もります。
計算ロジックの前提
- 4%ルールの逆数25を必要生活費にかける
- 生活防衛費(3年間)を用意する
- 不労所得があれば加味する
生活費用の算出
まずは生活費を洗い出します。(単位:万円)
費目 | 月額 | 年額 | 備考 |
---|---|---|---|
住居費 | 2 | 24 | 固定資産税、都市計画税 |
食費 | 6 | 72 | 外食込み |
光熱費 | 3 | 36 | |
通信費 | 1 | 12 | |
ガソリン、移動費 | 2 | 24 | |
レジャー費 | 5 | 60 | おこずかい、旅行等 |
衣服費 | 3 | 36 | |
雑費 | 2 | 24 | |
住宅保全費 | 1 | 12 | 家の修理費積み立て |
健康維持費 | 5 | 60 | 保険、通院、サプリ等 |
(合 計) | 30 | 360 |
年間の生活費が360万円と算出できたので、これに4%ルールの25をかけます。 そうすれば、理論上95%の確率で破産しないということになります(投資が前提となります。4%ルールについては、当ブログ記事【本の紹介】FIRE 最強の早期リタイア術を参照ください)。
①<生活費用(4%ルール適用)>
9000万円
いかがでしょうか。 持ち家ですので住居費は押さえられている。子供の養育費は生活費ではなく、下記のイベント予算に組み込んでいる。ということを踏まえると少し多いかもしれません。
イベント費用の算出
次にイベント費用です。 イベント費用には、生涯にわたるコストではないものを入れています。 こちらに子供の教育費用は入れています。 車は少しこだわってまして、国産プレミアムカーレベルとします。
イベント費目 | トータルコスト | 備考 |
---|---|---|
子供養育費 | 3000 | 主に学費 |
冠婚葬祭 | 500 | |
年金(未納分) | 200 | |
車両費 | 1440 | 20年間のマイカー乗り換え費 |
太陽光発電の収益 | ▲400 | |
(合 計) | 4740 |
②<インベント経費合計>
4740万円
子供もそれなりの年齢になったのを踏まえ、1500万円×二人分で見積もりました。 子供の養育費(学費、食費等)は、私立理系大学で貧乏下宿してもらう前提で算出しました。 車両費(車の購入費)は、70歳半ばで免許証返納することを加味し、20年間で支払うであろう金額を見積もりました。 太陽光発電はマイホームに設置しているもので、収益が10年固定で年間40万円入ってくる計算で算出しました。
生活防衛費の算出
生活防衛費は3年分で見積もりました。
③<3年分の生活費>
360×3=1080万円
我が家の経済的自立費用
①生活費用(9000万円)+②イベント費用(4740万円)+③生活防衛費(1080万円)をたすと
<我が家の経済的自立費用>
約1億4820万円
ただし、この計算だけでは不十分ですね。この中には年金を入れていません。 まずはイベント費用と生活防衛資金を確保した上で、年金を加味した生活費の計算が必要となります。 年金の前提は以下のとおりです。
・年金収入:25万円/月
・支給年齢:65歳~
64歳までは生活費は全額を資産から持ち出し、65歳からは年金収入で足りない月5万円(必要生活費30万円に対し年金収入は25万円)の不足分を資産から持ち出しします。また寿命は期待をこめて平均より10年長生きするとして95歳とします。 そこで生活費は、「年金をもらうまで」と「年金収入後」でそれぞれ算出する必要があります。
・年金をもらうまでの生活費(10年分):3600万円
・年金収入不足分の補充(30年分):1800万円
イベント費用(4740万円)+生活防衛資金(1080万円)+上記の(3600万円+1800万円)をたすと
<年金を加味した経済的自立費用>
1億1220万円
この数字が今の我が家の生活レベルを維持する上で、信ぴょう性の高い費用になります。年金を考慮することで、3000万円程改善されました。 以上ざっくりですが、積み上げ予算方式(ボトムアップアプローチ)で見積もってみました。
おわりに
50代でも家族ありのFIREだと、1億1000万円近くかかるのか、と思われると少し心外です。 というのも僕は結婚が遅かったので、子供の教育費用をコストに入れざるを得ませんでした。 また車をもう少しグレードを落とす等で、FIRE資金を7000万円前後にすることは十分可能だと思います、 さらにサイドFIREやパーシャルFIなどの手段を使えば更にコストが下がります。 ※サイドFIRE,パーシャルFIについては、【本の紹介】FIRE 最強の早期リタイア術を参照ください。 50代ですと退職金も見込めますので、子育てが終わったという方も多いのではないでしょうか。そのような属性の方ですと、検討の余地は十分あるかと思います。 会社生活が充実している方もいらっしゃると思いますが、そうではなく仕事が原因でなにか問題が生じているなら、なおさらFIREという選択肢を頭の隅に入れておく価値はあります。 もちろん50代とは言わず、40代や30代の方も共働き・節約・貯金・投資・副業等のサイクルを効果的に回していけば経済的自由を早期に手にすることは十分可能だと思います。 ごく平凡なサラリーマンだった僕でも、なんとかなったのですから。 了
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