この記事を書いた人
- 2021年~ アーリーリタイア(FIRE)
- 50代 4人家族 愛知県在住
- 純金融資産は1億円台
- 住宅ローンは9年間で完済
- 投資歴は約20年
※資産形成の詳細はプロフィールを参照ください。
個人投資家のETF(投信)人気ナンバー3は、全世界株、全米国株、S&P500みたいだけど、人気と実力が伴ってるの?
ETF(投信)は長期投資として使う人も多いので、選択しだいで10年後や20年後に大きく差がでてくると思います。
個人投資家の間では、どのETF(あるいは投信)が最強!とかの話がよくでますよね。 オールカントリー(全世界株)とか全米国株とかS&P500とかナスダックとか・・・ そこで今回の記事は本当に長期保有に向いたETFはどれなのか、実際のパフォーマンスを調べましたので参考にしてください。 ネタバレになってしまいますが、個人投資家の人気の高い全世界株(VT)オールカントリーのパフォーマンスは最下位の部類です。 将来とても大きな差になってくるので、人気に左右されず、銘柄選択には気を付けるべきです。
目次
ランキング対象ETFについて
ジャンル | ティッカー |
---|---|
世界全体株 | VT |
全米国株 | VTI |
S&P500 | SPY |
ナスダック100 | QQQ |
米国小型株 | IWM |
高配当株 | VYM |
配当貴族株 | SDY |
バフェット株 | BRK.B |
日経平均 |
今回比較検討する対象は、市場全体系(VT、VTI)、大型系のS&P500(SPY)、グロース系のナスダック(QQQ)バリュー系のバフェット株(BRK.B)、配当系(VYM、SDY)、小型系(IWM)、そして参考までに日経平均です。 米国株中心ですが、地域やセクター等の観点は省きました。さらに米国ETFの中でも個人保有率の高い商品を選びました。 なお例えばVOOではなくSPYにしたのも特にこだわりはなく、バンガード、ブラックロック、ステートストリート、インベスコ等のなかで似たようなETFはいくつも存在しますので、今回はジャンルを見て参考にしてもらった方が良いかと思います。 またETFではないですがウォーレン・バフェット氏のバークシャー・バザウェイはバリュー株で構成されたアクティブファンドのようなものですので、ランキングに入れています。
ランキング(保有期間10年)
(チャートはTradingViewで作成。関連記事はこちら)
順位 | ジャンル | ティッカー |
---|---|---|
1 | ナスダック100 | QQQ |
2 | バフェット株 | BRK.B |
3 | 全米国株 | VTI |
4 | S&P500 | SPY |
5 | 米国小型株 | IWM |
6 | 高配当株 | VYM |
7 | 配当貴族株 | SDY |
8 | 日経平均 | |
9 | 全世界株 | VT |
10年保有した場合では、ナスダック(QQQ)が圧倒的1位でした。 続いてバッフェット株(BRK.B)、全米国株(VTI)、米国大型株(SPY)と続きます。 ここ10年はリーマンショックからの売られすぎからの戻りで、右肩上がりのゴルディック(適温)相場でしたので、米国の中でもとりわけグロース株が強ったです。 なおこのパフォーマンスは株価の値動きのみですので、配当を考慮していません。 配当が1%違うと、ざっくり10%違ってきますので結果は少し変わります。 ナスダック(QQQ)は配当が少ないですし、バッフェット株(BRK.B)は配当金は出さないので、その分全米株(VTI)、米国大型株(SPY)や配当系(VYM、SDY)が有利になってきます。 ただし配当再投資をしてしまうと、利益の20~30%税金でとられますのでパフォーマンスが下がります。 税金を取られるのがイヤであれば(というかイヤですよね!)、再投資に税金をかけずに運用してくれる投信の方がはるかに有利です。 配当金や税金という要素がある事を前提に総括をすると、 ベスト3を選ぶとすれば、やはりナスダック(QQQ)が文句なく1位、あとは全米株(VTI)、米国大型株(SPY)ということになります。 そしてお気づきかもしれませんが、人気の全世界株(VT)のパーフォマンスはよくないです。
ランキング(保有期間20年)
(チャートはTradingViewで作成。関連記事はこちら)
順位 | ジャンル | ティッカー |
---|---|---|
1 | ナスダック100 | QQQ |
2 | バフェット株 | BRK.B |
3 | 米国小型株 | IWM |
4 | 全米国株 | VTI |
5 | S&P500 | SPY |
6 | 日経平均 | |
7 | 配当貴族株 | SDY |
8 | 高配当株 | VYM |
9 | 全世界株 | VT |
ここでも、ナスダック(QQQ)が圧倒的なパフォーマンスを見せています。 2位はさすがの神様バッフェット株(BRK.B)で、次点は米国小型株(IWM)、そして全米株(VTI)、米国大型株(SPY)が続きます。 20年スパンでは、配当系(VYM、SDY)の成績がよくないですね。 やはりGFC(世界金融危機)の影響で金融株やシクリカル株がヤラレた影響もあったのかもしれません。 そしてここでも、全世界株(VT)は冴えません。 あらためて配当金や税金を踏まえて総括すると、 ここでもナスダック(QQQ)がダントツ1位は変わらず、2位はバッフェット株(BRK.B)、3位は同率で全米国株(VTI)、米国大型株(SPY)となります。 米国小型株(IWM)も頑張りましたが、配当が少ないので惜しくもベスト3を逃しました。
【結論】ベストプラクティスETF
これまで10年と20年のスパンでそれぞれETFを調査しました。 これを受け長期保有に向いたベストプラクティスETFは下記という結論となります。
ベストプラクティスETF
順位 | ジャンル | ティッカー |
---|---|---|
1位 | ナスダック100 | QQQ |
同率2位 | バフェット株 全米国株 S&P500 | BRK.B VTI SPY |
おわりに
ナスダックETFが資産を大きく伸ばすにはベストでありますが、実際には個人の状況によって別の選択肢を選ぶことも大切です。
今回は株価の上昇率という観点で、長期保有に向いたETFを調べてみました。 結果的にナスダック(QQQ)が上昇率という点で一番良かった訳ですが、ボラタリティが他よりも高い為、一概に誰にでも薦められるという訳でもありません。 リスク許容度が高い人には向いてますが、ボラについていけない人にはメンタル面で向きません。 また配当系(VYM、SDY)は上昇率ではイマイチですが、配当がでるからこそ辛い時でも長期で持てるという人もいるでしょう。 それから全世界株(VT)は、米国に偏りすぎるエクスポージャーがいやだという人には向いているかもしれません。 オワコンと言われることの多い日本株の日経平均は、全世界株(VT)よりも成績がいいわけですから、為替リスクがないという利点も踏まえると、魅力は十分あると思います。 「ところでCAN太郎、お前はいったい何を選ぶの?」と疑問を持たれるかもしれません。 結論としては、僕だったら長期保有は単純に「ベストプラクティスETF」を選びます。 まずはこの「ベストプラクティスETF」をコアとしてポートフォリオを組むことが王道だと思います。 但し、ポートフォリオを作るにあたってはサテライトの構成とか、他のアセット(現金、債券、商品、通貨、不動産等)を加味する必要がありますので、これについては別途記事を描くつもりです。 了
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