この記事を書いた人
- 2021年~ アーリーリタイア(FIRE)
- 50代 4人家族 愛知県在住
- 純金融資産は1億円台
- 住宅ローンは9年間で完済
- 投資歴は約20年
※資産形成の詳細はプロフィールを参照ください。
目次
概要
少し古い本ですが、おすすめの投資本ですので、今回記事にしました。
この本はアマゾンでプレアナウンスがあった時にすぐ予約し、発刊されたその日あっという間に読み終えた記憶があります。今回記事をまとめる為に、あらためて目を通しましたが、読むのはこれで3回目になります。 cis氏は、日本では最も有名な投資家の一人であり、インターネットトレードの黎明期から活躍するレジェンドですので、読者の皆さんもご存じの方は多いと思います。 21歳のときに300万円で投資を始め、本が発刊された2018年には230億円に達しています。 そのcis氏の投資哲学がこの本で紹介されています。あくまで投資哲学なので、投資手法などの技術面に触れているものではありません。 この本はとても平易な文章で構成されていることもあり、初心者でも苦労することなく読めるかと思います。そしてもしかすると、大事な気づきを得られるかもしれません。 しかし僕の感想は、ある程度投資経験のある人のほうが、より多くの気づきが得られるのではと考えています。そして投資とは何なのかという根源的な問題を深堀できるのでは、とも思っています。 例えば昨今の米国株ブームにおいては、“投資”の代表格はフルポジでS&P500を買うこと、だったりします。これは米国のGDP成長に伴う資産の増大にあやかった投資手法と言えるのかもしれません。 一方でcis氏の“投資”は、本質的にギャンブルであり、マネーゲームであると本人も言っています。つまりリスクリターンを考え抜いて、一戦一戦に勝つことにこだわった投資手法です。 前者のS&P500の例では、cis氏が投資を始めた2000年ごろ ー仮にITバブルの大底から2022年1月の最高値までー を計算すると約500%の利益になります。つまり300万円投資した場合は1500万円を手にすることができます。 一方で後者の場合は、(もうお分かりでしょうが)300万円が230億円になっています。 確かにcis氏の非凡な才能という、属人的な要素はあるにしても、彼の採用している選択肢には、投資の本質が隠されていると思わざるを得ません。 cis氏は“なんでもやる系”の投資家であり、様々なアイデアとシナリオを準備し、自分のメタ認知に照らして勝てそうな勝負に集中投資するタイプだと僕は考えています。そして、ダメな時には即損切し、利益は最大化していくことで資産を大きくしていっています。 この本は、cis氏の投資哲学から何か気づきを得ることができれば、人生を変えるほどの良書だと思います。 逆にギャンブル的要素を嫌う方にはおすすめはできません。かえって有害かもしれません。 そんな読む人を選ぶような本ではありますが、僕の独断と偏見で、(ネタバレにならない程度に)参考になると思う部分を3つ抜粋して紹介します。
参考になる投資哲学3つ
cis氏の思考(その1)
株に関しては何勝何敗と考えることにも意味はない。問われるのは勝率ではなくトータルでどれだけ損得になっているかという絶対額。
一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学
cis氏の勝率は、数週間程度のスイングトレードで3割、デイトレで6割といっています。僕の経験則を引き合いに出すのはあまりにレベル違いですし、先方に大変失礼かと思いますが、この勝率はかなり低いと思われます。cis氏が自分で保守的な投資家といっているように、損切がすごく早いことを意味しています。また損切・利確はシステム的にというより、かなり裁量的にやっている気がします。 これだけ勝率が低いのに資産が数百億円になっている事実、この点が着目すべきところですね。多くの小さな損を恐れず、少数の大勝により資産をトータルで最大化することが大事である、と言い換えることができるかもしれません。
cis氏の思考(その2)
結果よりプロセスとして適切な勝負ができているかのほうが大事。
一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学
自分の熟成したアイデアとシナリオ、そして売買ルールに従ってトレードできているか、そのプロセスにこだわっていると僕はとらえました。 「結果よりプロセスの方が大事」これはトレードのうまい人だけでなく、一流アスリートがよく発する言葉です。“プロセス”こそがパフォーマンスの源泉であり、自分でコントロールできる要素といえるでしょう。“結果”は不確実な要素が混じってしまうので、そこにこだわる必要はない。そういう風に僕は解釈しています。
cis氏の思考(その3)
割安とか割高とか、将来この会社は業績がのびるはずだとか、そういった要素は、自分が勝手に思い込んでいるに過ぎない。勝っている人ほど、短期の値動き、かつチャートや指数組み入れなどの理由がある株を勝っていた。「今ある優位性」に張る。
一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学
この話は布石があって、cis氏がなかなか勝てなかったころに、オフ会で仲間の投資家と話をしたときの“気づき”から、この思考法に行き着いたそうです。 以前はファンダメンタルズをベースにした時間軸の長い投資をやっていたとのことです。うまくいかず投資資金もどんどん溶けていったわけですが、一般的な杓子定規な思い込みよりも、“何か優位性のあるもの”をエッジにしたほうが、勝利の確実性が増すと捉え、そこから今の投資スタイルを構築していったのです。 一生懸命市場分析するだけでは、他人を出し抜いて勝つことは難しいです。もしそうなら株のアナリストはみな億万長者になっているはずです。もちろんその行為そのものは個人的に否定しないし、一般的なことは知っておくべきだとは思います。それよりも、例えば身の回りの自分が接している“何か”をヒントに優位性を見出す方が、勝てる可能性が高まるかもしれません。 了
一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学
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