この記事を書いた人
- 2021年~ アーリーリタイア(FIRE)
- 50代 4人家族 愛知県在住
- 純金融資産は1億円台
- 住宅ローンは9年間で完済
- 投資歴は約20年
※資産形成の詳細はプロフィールを参照ください。
目次
はじめに
コモディティ(商品)のスーパーサイクルが始まっているとしたら、それを前提にした投資戦略が求められます。
先週のバロンズで興味深い記事がありました。現在はコモディティの強気なスーパーサイクル(商品の時代)に入っている可能性があるというものです。 歴史的には1791年までさかのぼると6回のスーパーサイクルがあり、それぞれ9年から14年続く傾向がありました。そして現在は2020年3月に始まった7回目のスーパーサイクルの最中だというのです。 昨年から同様の記事はチラホラとでていましたが、現在の相場環境は概ねそれを裏付ける内容になっているようでもあります。 前回の“商品の時代”は1999年から2008年まで続きました。その後2008年から2020年まで“弱気”のスーパーサイクルが続き、ピークから73%暴落しました。 商品の時代では平均して247%上昇します。それに対し現在の上昇の進捗は80%にすぎません。 僕も前回の商品の時代については覚えています。GFC(リーマンショック)のころでしたが、株の不調とは裏腹にグイグイ値を上げていました。さすがにリーマンショックが起きた終盤では、リスク資産がすべて猛烈に売られた関係でコモディティも大暴落しましたが、その後すぐに復活したりと粘り強かったです。 2020年から商品の時代が始まっているとすると、あれから約10年強の月日が経過したところです。確かにスーパーサイクルのタームが切り替わっていてもおかしくありません。 そこで今回はコモディティのスーパーサイクルに関して僕なりの視点でまとめてみたいと思います。
コモディティ(商品)のスーパーサイクルとは
コモディティー・スーパーサイクルというのは、穀物、金属、エネルギーなど商品の価格が長期にわたって上昇する局面のこと。前回の上昇局面は1990年代後半から、リーマンショック前の2008年まで続いた。
四季報
コモディティ指数(S&P GSCI)の確認
今回はS&P GSCI指数を使って、チャートを振り返ってみます。
S&P GSCI商品指数は、世界のコモディティ生産量の時価総額の加重指数で、現在、5つのセクターの24種類の商品先物で構成されます。また、本指数以外に、エネルギー、原油、ノン・エネルギー、リデュース・エナジー、ライト・エナジー、産業用メタル、貴金属、農産物、畜産物などのサブ・インデックスも用意されています。
iFinance
前回の強気のスーパーサイクルでは、1999年ごろから2008年にかけ、上昇波動が続いていることがわかります。2000年のITバブル崩壊の際、リスクアセットが総投げ状態になりコモディティは38%のドローダウンがありましたが、その後回復し6年半をかけて442%の上昇となりました。 そして今回ですが、2020年にコロナで大暴落したあと、2022年3月のウクライナ戦争にかけて約2年間で291%上昇し、現在は高値から33%下落しています。
コモディティ指数とS&P500の比較チャート
コモディティと米国株価指数(S&P500)のパフォーマンスを比較しました。ざっくり俯瞰して見ると、コモディティのスーパーサイクル(強気・弱気ともに)の中間地点あたりで形成「逆転」していることがわかります。 このように株アセットとコモディティアセットは、歴史的には交互に主役交代しているわけです。 現在は株価指数(S&P500)が大きくコモディティをアウトパフォームしています。特にGSC(リーマンショック)の底値から2023年4月現在まで、S&P500は520%上昇しているのに対し、コモディティは87%の上昇率に留まっています。
今後の戦略はどうする?
現在本当にコモディティの強気のスーパーサイクルに入っているのか、わかる術があればいいのですが、バブルやスーパーサイクルは終わってみないとわからないというのが通説です。 現在の相場は、2020年のコロナ暴落の底値からは一時的に300%近く上昇しました。その後ウクライナ戦争が勃発し、材料出尽くしの売りがあったのか大きく下落しています。ここまでを見るとバブルが終わったと考えるのが普通だと思います。 しかし前回の強気のスーパーサイクルでは、2000年のITバブル崩壊で大暴落して半値になった後、2008年にかけて大きく上昇しました。10年〜20年のサイクルで動くと言われる歴史的パターンと整合性のあるチャート形状を作ったわけです。 今回の相場は2020年から強気のスーパーサイクルが始まっていると仮定すると、まだ2年しか経過しておらず序盤ということになるかもしれません。 それでは強気のスーパーサイクルが始まっているとしたら、何に投資すべきかなのでしょうか。 僕の頭に浮かんだのは神様ウォーレン・バフェット氏の最近の動向です。
昨年来ウォーレン・バフェット氏はオクシデンタル・ペトロリアム、そして日本の5大商社の株を大量に買っています。神様ウォーレン・バフェット氏の真意は、到底僕なんかが理解できるものではありません。しかしコモディティ関連株のエクスポジャーを増やしているのは事実です。
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そこで頭をフル回転させてヘタなアイデアをひねり出すよりも、神様ウォーレン・バフェット氏についていくのは、賢いやり方の一つだと考えます。 そうすると、 バークシャー・ハザウェイ(BRK.B)、オクシデンタル・ペトロリアム(OXY)、シェブロン(CVX)、そして日本5大商社(伊藤忠、丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事)が対象になるかと思います。 もう少し分散を効かせたかったら、ETF(XLEなど)を組み合わせてもよいかもしれません。 それから、バフェット氏のポートフォリオには金属(ゴールドなど)や穀物が入っていないのですが、東証で商品のETFがかなりラインナップされているので、それらをポートフォリオに加えるのも面白いと思います。 了
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