- 2021年~ アーリーリタイア(FIRE)
- 50代 4人家族 愛知県在住
- 純金融資産は1億円台
- 住宅ローンは9年間で完済
- 投資歴は約20年
※資産形成の詳細はプロフィールを参照ください。
はじめに
大橋 巨泉(おおはし きょせん、1934年〈昭和9年〉3月22日[1] – 2016年〈平成28年〉7月12日)は、日本のテレビタレント、放送作家、元参議院議員。 テレビ司会者のほか、競馬評論家、ジャズ評論家、時事評論家としての活動も行い、馬主でもあるなど、日本のマルチタレントの先駆けとなった。
wikipedia
大橋巨泉さんといえば、50代の方はご存じだと思いますが、30~40代前半ですと微妙かもしれません。 高視聴率番組『世界まるごとHOWマッチ』『クイズダービー』『11PM』のMCをつとめた他、JAZZの司会者、競馬評論家、放送作家としても広く活躍していました。 まさに昭和文化の体現者であり、TV界へ大変大きな功績を残した一人だと僕は思います。 ビートたけしさんやタモリさんとの掛け合いは最高に面白かったなぁ〜。
巨泉さんは当初、50歳でセミリタイアをする計画を立てていましたが、仕事が面白くてなかなか辞められず、結局56歳で全ての番組を降りて第二の人生を歩み始めました。
なおセミリタイアという言葉は巨泉さんが広めたと言われています。 今でいうサイドFIREのことですが、セミリタイアは当時の日本では受け入れにくい背景であったと推測できます。しかし今でも色褪せない(というか真似できないレベル)その生き方は、とても参考になると思います。 今回は、その巨泉さんがセミリタイアについて綴った本、大橋巨泉「第二の人生」これが正解! 人生80年時代「後半生」を楽しく生きるための10の選択について記事をご紹介します。
本の内容
4カ国を転々としながら一年を何倍も楽しんでいる
大橋巨泉「第二の人生」これが正解! 人生80年時代「後半生」を楽しく生きるための10の選択
大橋巨泉さんのFIRE(セミリタイア)の特徴として、まず挙げられるのが「ひまわり生活」です。 一年のうち一番快適な時期「ベストシーズン」に合わせ4か国に移り住むという考え方です。 4〜5月は日本、5〜6月はヨーロッパ、6〜9月はカナダ、9〜10月は日本、11月はオーストラリア、12〜3月はニュージーランド。このような生活をルーティン化して、4カ国のベストシーズンを過ごします。本の執筆時点では23年も続けていました。 大物タレントなので、大金持ちに違いありませんが、副業としてカナダやオセアニアにギフトショップを経営するという堅実さも兼ね備えていたので、このような羨ましい生活ができたのかもしれません。 庶民としては、20年とは言わないまでも、1~2年とか、期間限定で少しマネをしてみたいものです。
「あなたにとって、リタイアメントから想像できることとはなんですか?」ボクの回答はこうだ。「毎日が日曜日」。これが正解。
(中略)
リタイアすれば、「毎日が日曜日」である。基本的に、普通は寝たいだけ寝る。起きたい時に起きる。ゴルフしたい時にする。
大橋巨泉「第二の人生」これが正解! 人生80年時代「後半生」を楽しく生きるための10の選択
巨泉さんはゴルフ好きで有名でした。タレント活動をしていた時は週に3回はゴルフに行っていたそうです。 しかし仕事で時間に縛られる生活では、スケジュールどおりに行わなければならず、雨の日にもプレーしなければならないことに憤りを感じていたそうです。 いっぽうセミリタイア(FIRE)をしてみると、毎日が日曜日なので、ゴルフがしたくなった時に電話で予約しその日にプレーすることができるようになり、そんな生き方がとても気に入っていると本では言っています。 好きなことだから自由に楽しみたい。そんな気持ちを大事にしていたのだろうと思います。巨泉さんなりの“こだわり”として。
ボクの人生の優先順位は「健康、パートナー、趣味、財政」の順番である。
大橋巨泉「第二の人生」これが正解! 人生80年時代「後半生」を楽しく生きるための10の選択
健康を優先順位のトップに挙げているところは、とても共感するところです。やはり健康でないと楽しく過ごすことが難しくなります。(ちなみに僕の場合は「健康、家族、時間、財政」の順です) 趣味が優先順位の3位にあるところはさすがです。巨泉さんは多趣味で有名な人でした。本当に羨ましい限りです。趣味が人生を豊かにするのは間違いないと思います。
例えば現役時代は悔いのないように、思いきり仕事をして稼ぐことが重要だ。同時に、定年後にもできる仕事として副業を持つことをお勧めしたい。これからの時代、完全リタイアできる人はごく少数で、副業を活かしながらセミリタイア生活をするスタイルが自然ではないだろうか。
(中略)
こういう時代にリタイアした場合、心がけたいこともある。毎日が日曜日で、時間だけはたくさんあるわけだから、時間と足にまかせて安くてうまいものを見つけてみたらどうだろう。安くておいしいワインを探すとか、時間を上手に使って、楽しみながらカネのかからない生活をするのだ。
大橋巨泉「第二の人生」これが正解! 人生80年時代「後半生」を楽しく生きるための10の選択
10年前に書かれた本ですが、今のFIRE事情を予見しているようです。現役時代に思い切り稼いで、副業を交えて、節約しながらリタイア生活を楽しむ、そんなライフスタイルが主流になるだろうと。当時の巨泉さんが今のFIREブームを見たなら、我が意を得たりと思うはずです。
リタイアの準備は、今や30代から始めるべきだ。以前にも「30代で始めてもいい」とは書いたけれど、今はもう「始めるべき」と言わざるを得ない。若い頃から将来に向けて、副業を考えておくべきだ。今の仕事を一生懸命やるばかりではなく20年先、30年先にプラスになるような職業を副業として考えてみることをお勧めする。
大橋巨泉「第二の人生」これが正解! 人生80年時代「後半生」を楽しく生きるための10の選択
セミリタイアの準備を30代から始めるべきだと言っています。最近だとFIREを志す人は早ければ20代から貯金や投資をしているので、現在でもこの考え方は整合的です。 あわせて副業を勧めていますが、巨泉さんいわく、ボケ防止と財政対策の2つの目的があるそうです。 巨泉さんは株式投資はやってなかったそうですが、現在では比較的安全な運用方法が確立しているので、副業として投資を行うこともアリかなとは個人的には思っています。 ボケ防止については、社会と接点を持つことが有効だと思います。僕にとってもどのように社会と関わっていくのかが大きな課題となっています。
バーンアウトとは、仕事に集中しすぎて燃え尽きること。その後はなんにもやる気にならなくなってしまう。逆バーンアウト症候群というのは、その逆だ。念願のリタイア生活を始めたら、やることがあまりにもなくてヒマになってしまい、だんだん仕事がしたくなって、とうとう仕事に復帰してしまうケースだ
大橋巨泉「第二の人生」これが正解! 人生80年時代「後半生」を楽しく生きるための10の選択
仕事で燃え尽きるバーンアウト症候群、逆バーンアウトとはその逆の現象。つまりリタイア生活に飽きて社会に復帰することですね。今でいう“FIRE卒業”です。 FIREがブームになる前から、“FIRE卒業”というのはアーリーリタイアの課題として存在していたようです。 巨泉さんは、自分の性格そしてリタイアの準備や時期にその原因があると喝破していますが、せっかくFIREするのですから、充実した第二の人生を送りたいものです。
セミリタイアにしろ、完全リタイアにしろ「第二の人生」の生き方を決める時、夫婦のどちらかの思い入れが強すぎて、一方が先行しちゃうっていうのは良くないケースだ。必要なのは、二人のコンセンサスである。
大橋巨泉「第二の人生」これが正解! 人生80年時代「後半生」を楽しく生きるための10の選択
僕もFIREする前は、家族とのコンセンサスはとても大事にしました。経済的な事情はデジタルかつ明確ですので、それほど問題ではありません。それよりも大事なのは、FIREの価値観や生活イメージをできるだけ具体的に家族と共有することだと思います。このコンセンサスがうまく取れていないとFIRE生活に問題が生じるかもしれません。 ↓↓↓関連記事
おわりに
大橋巨泉さんをFIREのロールモデルとするのは、あまりにスケールが違う部分もありますが、その根幹にある第二の人生における“哲学”は、とても参考になります。 セミリタイア(FIRE)を、人生の後半戦また第二の人生と位置づけ、充実した毎日を過ごす為の知恵を本の中で披露してくれてます。 第一の人生(現役時代)は、第二の人生の為にある。だから時間をかけ真剣に準備すべきだといいます。 第二の人生を自由にデザインするのもよしですが、参考とするロールモデルに自分の価値観を照らすのも手ではないでしょうか。 特に軸となる人生哲学を持つことは、ブレのないデザインには必要です。 哲学というと大げさですが、人生の達人に平易な言葉で教えてもらうと、思わぬカタリシスを得ることがあります。 了
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